日本三名園の一つに数えられる、廻遊式の庭園
(注1)園名の由来「六勝」
兼六園は、中国宋の時代の古典『洛陽名園記(らくようめいえんき)』において、「湖園(こえん)」を解説した一節を引用して命名されたものであり、書には『庭園では優れた六つの景観を兼ね備えることは本来難しいが、「湖園」はこれらが共存している』とのことが記されています。この六つの景観である『六勝』とは、三組からなる『宏大(こうだい)・幽邃(ゆうすい)』『人力(じんりょく)・蒼古(そうこ)』『水泉(すいせん)・眺望(ちょうぼう)』のことです。「宏大」とは広々とした様子、「幽邃」とは静寂や奥深さのことであり、相反するものであります。また、「人力」とは人の手が加わっていること、「蒼古」とは昔ながらの自然を感じさせることであり、両者は矛盾する関係にあります。そして、「水泉」とは水の流れや池、滝などを指し、「眺望」とは見晴らしがよいことでありますが、様々な水の競演を楽しみながら遠望を楽しむことはなかなかできません。
兼六園では、こうした相反する六つの景観を調和させ、対照の美が園内各所で演出されており、特に「水泉」と「眺望」の共存は他の庭園が真似できない兼六園の最大の特徴とされています。
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(兼六園公式ホームページ)